
5月8日、中国の半導体メーカー「瑞芯微電子(Rockchip)」は新世代AIビジョンチップ「RV1126B」の正式リリースを発表した。同チップは量産テストを完了し、今月から量産を開始するという。
情報によると、Rockchipのスマートビジョンチップの重要な一部として、RV1126Bは、強い3TOPS演算能力、カスタマイズされたAI-ISPアーキテクチャ、手ぶれ補正、ハードウェアセキュリティなどの性能優位性を活かし、スマートセキュリティ、ロボティクス、インテリジェント車載などのAIoT分野に向けた高効率ソリューションを提供するという。

RV1126Bの4つのコア技術
1. 3TOPS演算エンジンがマルチモーダルAIの新次元を開く
RV1126BはクワッドコアCortex-A53 CPUアーキテクチャを搭載し、同クラスチップ比2倍以上の性能を実現する。独自開発のNPUによる3TOPSの演算能力を内蔵し、重み係数のスパース化、W4A16/W8A16混合精度の量子化、Transformer最適化技術をサポートする。また、2Bパラメータ規模の大規模言語モデルとマルチモーダルモデルをスムーズに実行できる。これにより、複雑なシーンにおける対象物を正確に識別できるだけでなく、クロスモーダル情報融合を実現している。
2. AI-ISP + AOV3.0で視覚認知体験を再構築
RV1126Bは専用のAI-ISPハードウェアを統合し、従来のソリューションの演算ボトルネックを克服した。AI-ISP実行時に汎用3TOPS NPUリソースを占有せず、従来NPU方式より帯域幅と消費電力を節約できる。AI Remosaic技術により、「昼間は超高精細画質で、夜間は超低照度下でも鮮明な写真を撮影する」という「昼夜モード適応」を実現できる。
新開発のAOV3.0技術は低消費電力音声イベント・ウェイクアップ機能を統合し、犬の吠え声、ガラスの割れる音、銃声などの異常音源を検知できる。また、待機時消費電力は約1mWに抑え、24時間365日の音声・映像監視を実現できるという。6-DOF のデジタル手ぶれ補正を利用し、高周波振動を正確に識別・除去し、動画を滑らかになる。
3. スーパーエンコードエンジンでストレージ効率を革新
監視カメラなどのデータ集約型シナリオ向けに、RV1126Bはインテリジェントエンコードエンジンを搭載しており、800万画素・45FPS超高精細なエンコードをサポートしている。ビットレートの動的最適化により、同じストレージ容量で録画時間を2倍にすることができる。つまり、映像ディテールの完全性を確保する同時に、ストレージコストと伝送帯域の圧力を大幅に削減している。
4. ハードウェアセキュリティシステムでデータ防護を強化
RV1126BはSM2/SM3/SM4の暗号アルゴリズムをサポートし、TrustZone分離技術とkeyladder鍵管理システムを統合する。これにより、データの収集から保存、またAIアルゴリズムモデル保護まで、厳格なセキュリティ要件を満たしている。
RV1126Bがビジョンチップを拡充、産業の知能化を加速
RV1126Bのリリースにより、Rockchipは0.5TOPSから6TOPSまでをカバーするビジョンチップの製品群を形成した。初心者のスマートカメラからハイエンド産業用ビジョンシステムまで、多様なニーズに対応できる。
先進的な演算アーキテクチャとエネルギー効率最適化により、RV1126Bはエッジコンピューティング端末の新たな可能性を切り開き、「視覚をAIの入り口にする」という産業トレンドに新たな推進力を付与している。

