

6月9日夜、海光信息(Hygon Information)と中科曙光(Sugon)は正式に「再編計画(案)」を発表した。海光信息(Hygon Information)が合併会社で、中科曙光(Sugon)が被吸収合併会社となり、株式交換比率0.5525:1 による吸収合併を実施する方針だ。両社の株式は翌営業日より取引再開され、併せて特定投資家を対象とした新株の発行によって資金調達する。
「再編計画(案)」によれば、今回の株式交換の対象となる中科曙光(Sugon)の株は14億6300万株だ。今後合併双方の配当権利落ち等の影響を考慮しない場合、交換比率1:0.5525に基づき、海光信息(Hygon )が発行する新株は合計8億800万株となる。合併会社(Hygon )の交換株価は143.46元/株(約2,894円/株)、被吸収合併会社(Sugon)の交換株価は79.26元/株(約1,599円/株)だ。本件吸収合併における海光信息(Hygon)が取得する資産の取引金額(Sugon交換株価×Sugon発行済株式総数)は1159億6700万元(約2兆3,392億円)となる。
本取引完了後、海光信息(Hygon Information)はSugonの全ての資産、負債、事業、人員、契約、その他の一切の権利・義務を承継する。本取引前の海光信息(Hygon Information)は実質的支配者がないという。吸収合併完了後、被吸収合併会社のSugonは上場廃止となり、Hygon は存続会社として実質的支配者が存在しない状態だ。
今回の取引に基づき、Hygonは中国証券監督管理委員会(CSRC)の規定を満たす35名以内(35名を含む)の特定投資家にA株を発行する。発行終了後、Hygonの主要株主の持株比率は低下するものの、同社が支配株主・実質的支配者を有しない状態は変わらないと見込まれる。
情報によると、海光信息(Hygon Information)は中国のプロセッサー大手で、サーバーやワークステーション向け高級プロセッサの研究開発、設計、販売が主力事業だ。同社が設立して以来、中国のデジタル発展に応える多世代のプロセッサ製品を開発し、ハイエンドプロセッサの研究開発環境とプロセスを確立し、製品の性能・機能は世代ごとに改善されている。CPUとDCUが主力製品で、多世代にわたり独立した研究開発と事業化に成功している。
近年、海光信息(Hygon Information)は高い研究開発投資を通じ、技術革新力と製品品質を向上させており、高性能・高信頼性・低消費電力の製品とサービスで知られる。製品は機能、性能、エコシステム、セキュリティ面での優位性から高い評価を得ており、中国国内でのリーディングポジションを確立した。同社の製品はすでに通信、金融、インターネット業界のデータセンターや、ビッグデータ処理、人工知能(AI)、商用コンピューティングなど幅広い分野で採用され、市場地位と競争優位性を高めている。
中科曙光(Sugon)は中国国内の高性能コンピューティング分野のリーダー企業で、高性能コンピュータ、ストレージ、セキュリティ、データセンター製品の研究開発を中心とし、デジタルインフラ建設やインテリジェントコンピューティング事業も積極展開している。近年、市場ニーズ、政策支援、技術革新の相乗効果により、産業チェーンの川上と川下の統合を加速させる。川上のチップエンドは中国国産チップの大規模応用を実現し、川中のデータセンターでは集約化とグリーン化へのアップグレードを推進し、川下のアプリケーションエンドではAIの大規模モデル訓練、自動運転、産業シミュレーションなどのシナリオに対応する。チップ、液冷、コンピューティン、ストレージ、AIコンピューティングクラスター、管理プラットフォームを全面に再構築し、AIシナリオに統合することで、インテリジェント・コンピューティング・インフラを加速する。
本合併により、Hygonはプロセッサ事業に加え、高性能コンピュータ、ストレージ、セキュリティ、データセンターなど密接に関連する事業を拡大するという。
Hygonは存続会社として両社のリソースを統合し、チップ設計から高性能コンピュータシステム、ソリューション提供までの垂直統合を実現する。中核的なリソースを集約してプロセッサ及びソリューションの研究開発に共同投入し、競争力のある一体型技術ソリューションを通じて存続会社の製品・サービスを向上させる。また、高いサプライチェーン強靭性を実現し、中国国産コンピューティング産業における蓄積を固め拡大することで、コンピューティング産業の融合発展と中国国産化プロセスを推進する。さらに、中国国産チップは政府、金融、通信、エネルギー等の重要分野における大規模採用を加速し、中国のデジタル戦略においてより重要な役割を果たす。戦略的再編により、両社の研究開発、サプライチェーン、マーケティングリソースは深層融合し、コアコンピタンスでチップの開発やソリューションに取り組んでおり、競争力ある統合技術ソリューションで顧客満足度向上を図り、主流エコシステム形成に深遠な影響を与える。両社の合併により、リーダー企業の牽引役割を最大限発揮し、「サプライチェーンの強化・延長」を実現する。
グローバルな技術競争の障壁が高まり続ける中、中国国内のコンピューティング供給のリスクが増大している。このため、産業リソースの統合を推進し、サプライチェーン全体の競争力を高めることが、コンピューティング産業の発展に参画する上での戦略的重点となっている。
現在、中国国内のコンピューティング産業チェーンは発展が遅く、各セグメントが比較的分散している。中国政府は「サプライチェーンの安全を保障する」と強調しているため、、システムイノベーション能力の向上が、コンピューティング産業発展にとって不可欠だという。
「グローバル科学企業のM&Aの流れの中で、海光(Hygon)が中科曙光(Sugon)を吸収合併するのは国産ハードコア技術の発展が必然的な道筋だ」と業界関係者は指摘している。近年、中国国内外のテックジャイアントは大規模な産業統合を開始している。例えば、NVIDIAはMellanox買収でデータセンター・ネットワークを強化し、ArmはAmpere買収で半導体・高性能コンピューティング事業を強化している。中国国内では、中興通訊(ZTE)は中興微電子(ZTE Microelectronics)を買収し5Gチップ開発を強化した事例がある。
海光(Hygon)と中科曙光(Sugon)はマッチング精度が高く、川上・川下での強い相補関係にあるため、将来にはシナジー効果を発揮すると見られる。業界関係者は、「今回の再編は、科技産業における垂直統合の新たな波を引き起こす可能性がある」と述べている。
(原文: https://www.icsmart.cn/92843/ )

