
2025年6月26日、半導体設計受託サービス及びIPプロバイダーの芯原股份(VeriSilicon)は「ZSP5000」シリーズIPの提供を正式に開始したと発表した。このプロダクトラインは、同社の第5世代シリコン実証済みデジタルシグナルプロセッサ(DSP)アーキテクチャを基盤としており、高い拡張性と低消費電力設計を採用。コンピュータービジョンや組み込み人工知能(AI)などの計算集約型アプリケーション向けに深く最適化されている。アーキテクチャの設定可能な拡張性と組み合わせることで、このシリーズIPは、様々なエッジデバイスに優れたエネルギー効率と計算効率を兼ね備えたソリューションを提供する。
ZSP5000シリーズは、ZSP5000、ZSP5000UL、ZSP5000L、ZSP5000HなどのIPで構成され、1サイクル当たり32回から256回の8ビットMAC(積和演算)演算能力を提供する拡張可能なベクトル処理性能を持つ。より高い性能が求められる用途向けには、マルチコアアーキテクチャを採用したZSP5400Hが、複数のZSP5000Hコアを統合することで、さらなる計算能力の向上を実現する。
ZSP5000シリーズIPは、豊富で直感的な命令セットを備えている。この命令セットは、プログラミングの容易さ向上と効率的な性能チューニングのサポートのために最適化されている。専用命令により、ベクトルおよびスカラー演算、水平リダクション、データ配置(パーミュート)、シフト、ルックアップテーブル(LUT)、クリッピング、平均値計算といった一般的な画像・信号処理タスクを高速化できる。ZSP5000シリーズIPはさらに、ZTurboコプロセッサインターフェースを統合しており、カスタム命令やハードウェアアクセラレータを同一パイプライン内に容易に追加可能。また、OpenCVアプリケーションプログラミングインターフェース(API)との互換性を持ち、主流のコンピュータービジョン開発フレームワークとシームレスに統合できる。さらに、ZSP5000シリーズIPは、充実したメモリサブシステム、マルチチャネル3D DMAエンジン、拡張可能なマルチコアアーキテクチャを装備し、様々なアプリケーション要件に柔軟に対応したカスタムデプロイメントをサポートする。
ZSP5000シリーズIPは、下位互換性として同社のスカラー型ZSPNanoシリーズとの互換性を持ち、MCUとDSPの混在ワークロードを効率的に処理できる。VeriSiliconはまた、包括的なZView開発ツールを提供する。これには、Eclipseベースの統合開発環境(IDE)、サイクル精度シミュレータ、最適化コンパイラ、デバッガ、性能解析ツールが含まれ、顧客がソフトウェア開発とシステム統合を効率的に完了するのを支援する。
「OpenCVの広範な採用、およびエッジAIコンピューティングにおけるコンピュータービジョンタスクとニューラルネットワークプロセッサ(NPU)との協調処理ニーズの高まりを受け、我々は次世代ZSP5000 DSP IPシリーズを発表した。これらのIPは業界標準のOpenCV APIをサポートし、当社のFLEXAインターフェースを介してNPUとの効率的な相互接続を実現可能。さらに、マルチモーダルアプリケーションのニーズに応えるため、音声処理能力も統合されている」と、VeriSilicon 最高戦略責任者(CSO)兼エグゼクティブバイスプレジデント、IP事業部ゼネラルマネージャーの戴偉進(Dai Weijin)氏は述べる。「エネルギー効率はエッジコンピューティングの中核要素だ。ZSP5000シリーズIPは、最適化されたメモリアクセスアーキテクチャを採用し、プロセッサの消費電力を最小限に抑える。同時に、このシリーズは特定のアプリケーション向けのZTurboカスタム命令拡張メカニズムを備えており、ハードウェアアクセラレータとのシームレスな統合を通じて、消費電力と性能をさらに最適化できる。現在、我々の主要顧客は既にこれらの機能を活用し、顕著な電力削減と性能向上を実現している」。
VeriSiliconについて

芯原微電子(上海)股份有限公司は、独自の半導体IPを基盤とし、顧客にプラットフォーム型で包括的なワンストップのカスタムチップ設計サービスと半導体IPライセンスサービスを提供する企業だ。
同社は、自律開発・管理可能なグラフィックスプロセッシングユニットIP(GPU IP)、ニューラルネットワークプロセッシングユニットIP(NPU IP)、ビデオプロセッシングユニットIP(VPU IP)、デジタルシグナルプロセッサIP(DSP IP)、イメージシグナルプロセッサIP(ISP IP)、ディスプレイプロセッシングIP(Display Processing IP)の6種類のプロセッサIPに加え、1,600以上のアナログ・ミックスドシグナルIPおよびRF IPを保有する。
自社IPに基づき、同社はAIアプリケーション向けの豊富なハードウェア/ソフトウェアカスタムチッププラットフォームソリューションを有する。これらは、スマートウォッチ、AR/VRグラスなどの常時接続(Always-on)軽量空間コンピューティングデバイス、AI PC、AIスマートフォン、スマートカー、ロボットなどの高効率エッジコンピューティングデバイス、そしてデータセンター/サーバーなどの高性能クラウドコンピューティングデバイスまでをカバーしている。
大規模コンピューティング需要が推進するSoC(システムオンチップ)からSiP(システムインパッケージ)への移行というトレンドに応えるため、VeriSiliconは「IPのチップレット化(IP as a Chiplet)」、「チップレットのプラットフォーム化(Chiplet as a Platform)」、「プラットフォームのエコシステム化(Platform as an Ecosystem)」という理念を行動指針とし、インターフェースIP、チップレットアーキテクチャ、先進パッケージング技術、AIGC(生成AI)およびスマートモビリティ向けソリューションなどの観点から、同社のチップレット技術とプロジェクトの研究開発および産業化を着実に推進している。
同社独自の「Silicon Platform as a Service(SiPaaS)」ビジネスモデルに基づき、現在の主力事業は、民生用電子機器、自動車用電子機器、コンピュータおよび周辺機器、産業用機器、データ処理、モノのインターネット(IoT)など幅広い分野に応用されている。主要顧客には、半導体設計会社(ファブレス)、IDM(垂直統合型半導体メーカー)、システムメーカー、大手インターネット企業、クラウドサービスプロバイダーなどが含まれる。
VeriSiliconは2001年に設立され、本社は中国上海に置く。世界に8つの設計開発センターと11の営業・カスタマーサポート拠点を有し、現在の従業員数は2,000名を超える。
(原文:https://www.icsmart.cn/93398/)

