
8月5日に北京で開催された「アセンド(Ascend)コンピューティング産業発展サミット」で、Huaweiの輪番会長徐直軍(ジョ・チーグン)氏は、同社のAIソフトウェア基盤「CANN Mind」リーズアプリケーションスイート及びツールチェーンの全面的なオープンソース化を発表した。これにより、ユーザー自身による深堀りやカスタム開発が可能となり、広範な開発者のイノベーションを加速し、アセンドプラットフォームの利便性と使いやすさが向上する。
CANN(Compute Architecture for Neural Networks)は、Huaweiが主導するニューラルネットワーク向け異種計算アーキテクチャだ。これは上位のAIトレーニングフレームワーク(PyTorch、TensorFlow、MindSpore等)と下位のアセンドAIチップを接続する「架け橋」として機能し、開発者がアセンドAIチップの詳細を意識せずに基盤コンピューティングリソースをスケジューリング・実行できるようにする。ただし、CANNは業界での幅広い支持を得ておらず、NVIDIAのCUDAには遠く及ばないという。今回のHuaweiの全面的なオープンソース化は開発者のイノベーション促進とアセンドAIチップのユーザビリティ向上に寄与すると見られている。

HuaweiはAI分野のリーダー企業、パートナー、大学及び研究機関の代表者がオープンなアセンドエコシステム構築のあり方を議論し、「CANNオープンソースエコシステム共同構築イニシアチブ」を共同発足した。これにより、産業の力を結集し、AIの限界に挑み、アセンドエコシステムを共築するという。徐氏は「ファーウェイのAI戦略の中核はコンピューティング能力で、アセンドハードウェアを通じてその価値を実現する」と強調した。
業界では、これは中国がインテルのAIチップ及びCUDAエコシステムへの依存脱却、技術的自立を図る上での重要な一歩で、より多くの開発者がアセンドAIソフトウェアエコシステム構築に参加するよう促すと見られている。紹介によると、適切なシナリオにおいて、HuaweiのアセンドAIチップの性能はNVIDIAの「Blackwell B」シリーズチップに迫りつつあるとという。
一方、NVIDIAはCUDAをクローズドな「城壁」として維持し、そのエコシステムはNVIDIAのハードウェアに強く依存しています。これにより、多くの開発者が不満を募らせている。
これまでZLUDAなどのプロジェクトがトランスコーディングレーヤーを通じ、CUDAを他社GPUで動作させる試みを行ってきた。ただし、NVIDIAの反対により大半は途中で消滅したという。同社は2024年、トランスレーションレイヤ技術を明示的に禁止し、CUDA 11.6以降で適用を開始している。
ただし、今年NVIDIAもクラウド事業者向け新サービス「NVLink Fusion」を発表した。ASICと自社ラックシステム、エンドツーエンドネットワークプラットフォームを利用し、AIファクトリーを数百万のGPU規模に拡張する道筋を提供している。
今回ファーウェイはCANNオープンソース化したことで、アセンドAIチップの市場採用率を加速させる可能性がある。ただし、18年の歴史を持ち継続的に更新され続けるNVIDIAのCUDAに追いつくには、なお長い時間を要する見込みだ。
(原文:https://www.icsmart.cn/94984/)

