

8月9日、半導体受託製造大手のTSMC(中国台湾積体電路製造)は2025年7月の売上高を発表した。売上高は3,231億6,600万新台湾ドル(約1兆5900億円)で、前月比22.5%増加、前年同期比25.8%増となり、過去2番目の高さを記録した。2025年1月~7月の累計売上高は約2兆962億1,100万新台湾ドル(約10兆3400億円)で、前年同期比37.6%増となり、史上最高を更新したという。
第2四半期の決算説明会によれば、TSMCの第3四半期(7月~9月)の業績見通しは、ドル建てで売上高318億~330億ドル(約4.69兆~4.87兆円)だという。これは前四半期比8%増、前年同期比38%増となる見込みだ。1ドル=29新台湾ドルで換算すると、売上高は約9,222億~9,570億新台湾ドル(4.55兆~4.72兆円)となり、第2四半期を上回る。粗利益率は55.5%~57.5%と、2025年第2四半期の58.6%からやや低下し、営業利益率も45.5%~47.5%と、前四半期の49.6%を下回る見通しだ。
米国のトランプ大統領は、半導体チップに対する100%の関税導入を計画している。ただし、企業が米国国内での生産を約束すれば、工場が未完成、あるいは未着工の場合でも関税は免除されるという。しかし、企業が約束した後に行動を起こさない場合、米政府は累積した税額を全て計算し、追加納付を求めることになる。
これに対し、外資系アナリストとして著名な陸行之(ルー・シンチー)氏はFacebookの個人アカウントで次のように述べている。「トランプ氏が選挙運動開始以来ずっと主張してきた半導体100%関税が、ついに実施されるようとしているが、恐れる必要はない。最も大きな影響を受けるアップルとTSMCの株価は、株式市場での取引終了後に『材料出尽くし』を示している。主な理由はトランプ案に免除条項が含まれており、また米国国内の消費者が占める世界の半導体需要は最大でも30%±5%程度だ。TSMCの米国顧客が75%を占めるからといって、その全てが100%関税の対象範囲になるわけではない。TSMCの多くの米国顧客は、半導体の半分以上を米国外に販売しているのだから。」
さらに、陸氏はブルームバーグの報道として次の点を指摘した。「トランプ氏は『アップルがスマートフォンの生産ラインを米国に移すと約束すれば、建設中で生産が始まっていなくても100%の半導体関税を支払う必要はない』と述べた。このためクアップルCEOのティム・クック氏はトランプ氏と共同記者会見を開き、米国への投資を1,000億ドル(約14.7兆円)を追加する(以前に発表した4年間で5,000億ドルの計画に加え、累計6,000億ドル(約88.4億円)に拡大)と発表した。これは、TSMCのアリゾナ工場がまだアップルの米国消費者ニーズに対応できるチップを供給する準備が整っていなくとも、アップル向けに米国に輸出されるTSMCの半導体は免除対象となることを意味する。」
外資系証券会社モルガン・スタンレーは最新のリポートで、「TSMCは現在も、2030年までに米国事業に1,650億ドル(約24.3兆円)を投資するという資本支出計画を維持している。この米国投資へのコミットメントにより、米国の半導体関税の免除は猶予ができると予想される。これは大多数の投資家が当初懸念していたシナリオよりも好ましい状況だ」と示している。
(為替換算レート:1ドル=147円で計算)
(為替換算レート:1新台湾ドル=5円で計算)
(原文:https://www.icsmart.cn/95085/)

