
中国がサブナノスケールハイエントロピー合金の開発に成功、技術的ボトルネックを突破

中国の「安徽師範大学」によると、このほど同校の熊宇傑(ユウ・ウケツ)が率いる研究チームは中国科学技術大学の研究者らと共同で、穏やかな条件下でレーザー照射を用いてプラズモン光熱効果と熱電子効果を利用し、サブナノスケールのハイエントロピー合金(HEA)の創製に成功した。この研究成果は学際的ジャーナル誌『Nature Materials』に掲載されたされた。
ハイエントロピー合金はその独特な構造と特性から、新エネルギー分野において潜在能力を秘めた理想的な触媒材料と見なされている。5種類以上の異なる金属を「融合」させ、構造が均一なハイエントロピー合金を製造することは、従来から極めて挑戦的な科学の難題だった。特にそのサイズをサブナノレベルに制御する場合、その難しさは一層大きかった。従来のハイエントロピー合金の合成は高温環境に依存し、金属の種類にも制限が多く、生成物のサイズも通常は大きかった。熊氏は「これはまる、性格の大きく異なる複数の人々を集め、調和して共存してもらうようなものだ」と例えて説明した。
研究チームは革新的にレーザー照射技術を採用し、穏やかな条件下で多種金属の均一混合を実現し、サブナノスケールのハイエントロピー合金粒子の作製に成功した。ナノ秒パルスレーザーは、極めて短時間で粒子表面温度を2000摄氏度以上に急速に上昇させ、その後毎秒100億度以上の速度で冷却する。この「急加熱・急冷却」プロセスは、従来の合成方法の限界を突破しただけでなく、合金粒子のサイズをサブナノレベルで制御することを可能にした。
研究チームが作製した、金、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウムの5種類の金属からなるサブナノハイエントロピー合金は、水電解による水素発生において、卓越した触媒活性と安定性を示した。プロトン交換膜電解槽では、その性能は現行のPt/C触媒や二酸化ルテニウム触媒を大幅に上回る性能を発揮した。
この新しいレーザー合成方法は、ハイエントロピー合金の材料システムと応用範囲を大幅に拡大し、エネルギー、触媒などの分野における実用を促進し、新素材開発に新たな道筋を提供することが期待されている。
(原文:https://www.icsmart.cn/97696/)

