

12月24日、「上海証券取引所上市委員会2025年第67回審議会議結果公告」によると、視涯科技股份有限公司(SeeYA Technology)(以下、視涯科技)は、発行条件、上場条件及び情報開示要件を満たし、且つ追加確認の実施は不要とされた。これは、「国産シリコンOLED(OLED on Silicon)初の株式上場企業」の誕生が間近であることを意味する。

今回のSTAR市場でのIPOにおいて、視涯科技は約20.15億元(約403億円)の資金調達を計画しており、このうち16.09億元(321.8億円)は超高解像度シリコンOLEDマイクロディスプレイデバイス生産ライン拡張プロジェクトに、4.06億元(約81.2億円)は研究開発センター建設プロジェクトに充てられる予定だ。

視涯科技は、同社が中国のマイクロディスプレイ産業チェーンにおいて川上のコア部分に位置しており、今回の資金調達による生産拡大と研究開発投資は、国内マイクロディスプレイ製品の供給安全を確保する。一方で、設備及び材料の国産化プロセスを促進し、製品の自立・自給率を高め、中国のマイクロディスプレイ産業チェーンの総合的な競争力を全面的に強化すると表示している。
高性能シリコンOLEDに焦点、世界シェア2位・国内1位
目論見書によると、視涯科技は世界をリードするマイクロディスプレイ総合ソリューション・プロバイダーであり、コア製品はシリコンOLEDマイクロディスプレイパネルで、顧客に対しては戦略的製品開発、光学システム、XR(拡張現実)総合ソリューション等の付加価値サービスを提供している。その中核製品であるシリコンOLEDマイクロディスプレイパネルは、AI時代の次世代スマート端末だ。
会社設立以来、視涯科技は高性能シリコンOLED製品の研究開発・技術課題解決に焦点を当て、シリコンOLED強微小共振器技術、シリコンOLEDクロストーク遮断技術、シリコン基板高光効率積層OLEDフルカラー技術など、一連のコア技術を革新的に開発した。また、製品性能・プロセス技術の限界を絶えず突破し、製品の主要性能、生産能力規模及び信頼性の面でソニーに並び、あるいは追い越す水準に達している。同社は先進的な技術力と優れたプロセス生産能力により、ソニーが独占していたサーマルイメージング、暗視装置などの従来の専門市場における独占を打ち破ると同時に、世界のXR市場シェアを急速に獲得している。

現在、視涯科技は世界第2位、国内第1位のマイクロディスプレイ総合ソリューション・プロバイダーとなっており、ByteDance、Insta360、TCL RayNeo、Lenovoなどの世界の主要端末メーカーへの出荷を実現している。
フロスト&サリバンの報告書によると、2024年に業界で100万個レベルでの出荷を実現したメーカーはソニーと視涯科技のみで、2024年の世界XRデバイス向けシリコンOLED製品出荷量ではソニーが世界第1位(全世界出荷量の約50.8%)、視涯科技が世界第2位・国内第1位(全世界出荷量の約35.2%)となっている。同時に、同社は、12インチウェハーバックプレーンに基づき、シリコンOLEDマイクロディスプレイパネルの量産を実現した世界初の企業だ。
現在、国内では多くのメーカーが相次いでシリコンOLED生産ラインの拡張を発表している。公開情報によると、BOE(京東方)は中国雲南省に8インチと12インチの生産ラインを各1本建設しており、8インチラインは建設を完了、2024年末時点で12インチラインは第一期建設のみを完了している。Rayvision Technology(睿顕科技)は今年3月、中国湖南省長沙市に12インチシリコンOLEDマイクロディスプレイ生産ラインを建設し、計画総投資額は30億元(約600億円)となっている。熙泰科技(SIDTEK)は2025年3月に中国四川省南充市で2本目の12インチMicro OLED生産ラインプロジェクトを着工し、11月にはグローバルIC研究開発センター及び表示モジュール増産、端末製品OEMプロジェクトを四川省眉山市で契約し、半導体マイクロディスプレイ及び端末産業チェーンの継続的な展開を図っている。2025年4月、浙江宏禧科技有限公司( Metaways )の完全子会社である安徽宏禧微顯科技有限公司(Anhui Hongxi Micro Display Technology Co., Ltd.)の「シリコンOLEDマイクロディスプレイモジュール(第一期)プロジェクト」の生産ラインが正式に着工し、これは12インチシリコンOLEDマイクロディスプレイモジュールプロジェクトで、第一期投資額は20億元(約400億円)、生産能力達成後は年間12インチウェハー7.2万枚を生産し、年間生産額30億元(約600億円)を実現できる見込みだ。
これに対し、視涯科技は「中国国内で多くのメーカーがシリコンOLED生産ラインの拡張を発表しているものの、生産ラインの建設サイクルが長く、計画から実際に有効な生産能力が形成されるまでには通常数年を要する」と表示した。また、川上のXRデバイスメーカーを中心とする顧客はマイクロディスプレイパネルのコア性能指標と信頼性に対して非常に厳しい要求を持っており、川氏や顧客による検証を経て規模的量産を実現したラインのみが有効生産力としてカウントされると述べている。さらに、業界には極めて高い技術的参入障壁があり、産業チェーンの川下顧客によるシリコンOLEDスクリーンの認証期間も長い。このため、現在各社が公表している総生産能力は見た目には大きいが、実際に消費市場の需要を満たすことができる有効な生産能力は実は低いという。一方で、市場需要は持続的に急増している。したがって、新興業種であるシリコンOLEDは、今後長期的に有効生産能力が市場需要に追いつかない状況が続き、これにより供給不足の市場構造が徐々に形成されるとの見方を示している。
(為替換算レート:1人民元=20円で計算)
(原文: https://www.icsmart.cn/100197/ )

