
中国半導体装置メーカー「北方華創(Naura)」、上期売上高201.61億元 前年同期比24.90%増

8月25日、中国の半導体製造装置大手である北方華創科技集団(NAURA Technology Group Co., Ltd)は、2026年上期(1~6月)決算を発表した。上期の売上高は201.61億元(約4,770億円)で、前年同期比24.90%増だった。親会社株主に帰属する純利益は33.70億元(約797.34億円)で同5.05%増、基本的1株当たり利益は4.6486元(約109.99円)となった。
このうち、第2四半期単独の売上高は98.4億元(約2,328.14億円)で、前年同期比24.0%増となった一方、前四半期比ではやや減少した。親会社株主に帰属する純利益は17.35億元(約410.50億円)で、前年同期比6.6%増、前四半期比6%増だった。総資産は939.22億元(約2兆2,221.95億円)と前期末比4.6%増、親会社株主に帰属する純資産は405.45億元(約9,592.95億円)で同7.5%増となった。
利益の伸び、売上高の伸びを大きく下回る
上期において、利益成長率が売上高成長率を約20ポイント下回った点について、Naura社は主な要因として3点を挙げた。
第1に、高水準の研究開発投資だ。2026年上期の研究開発費は26.77億元(約633.37億円)と、前年同期比6.00億元増(約141.96億円増)、同28.87%増となった。前期の第1四半期時点でも研究開発費は約14億元(約331.24億円)に達し、前年同期比で4割近く増加していたことから、同四半期の純利益成長率は3.4%にとどまっていた。会社側は、これは「市場規模の拡大に対応し、高度集積回路製造装置の研究開発を継続的に強化するための戦略的投資」だと説明している。
第2に、販売費が大幅に増加したことだ。上期の販売費は7.61億元(約180.06億円)と、前年同期比で2.95億元増加(約69.80億円増)し、同63.46%増となった。市場開拓および顧客サービス体制の強化に伴う人員増に加え、連結子会社である芯源微電子社の販売費を取り込んだことが主因だとしている。
第3に、売上総利益率の低下だ。上期の売上総利益率は前年同期の42.17%から40.07%へ低下した。会社側によれば、新製品の顧客先での評価・認証プロセスにおいて部材の改良・更新コストが増加したことに加え、一部の大口顧客に対して一定の価格優遇を実施したことが背景にあるという。
営業キャッシュフローは大幅改善、前年同期比218%増
注目されるのは、上期の営業活動によるキャッシュフロー純額が37.74億元(約892.93億円)となり、前年同期のマイナス31.91億元(約マイナス754.19億円)から大幅に改善した点だ。前年同期比では218.25%増となり、売上高の増加に伴って製品販売による入金が増えたことが主因だとしている。
キャッシュフローの内訳を見ると、投資活動によるキャッシュフロー純額はマイナス8.85億元(約マイナス209.39億円)、財務活動によるキャッシュフロー純額はマイナス11.00億元(約マイナス260.26億円)だった。一方で、現金および現金同等物の純増額は17.62億元(約416.29億円)となった。
半導体製造装置の売上高は192億元(約4,542.72億円) 複数製品でシェア拡大
事業別では、半導体製造装置事業(電子プロセス装置)が引き続きNaura社の中核事業となった。上期の同事業の売上高は192.05億元(約4,543.90億円)で、前年同期比25.86%増となり、全体売上高に占める比率は95.25%に達した。
報告期間中、同社はエッチング、薄膜堆積、熱処理、ウエット洗浄、イオン注入、レジスト塗布・現像、ボンディングなど複数の装置分野で市場シェアを着実に引き上げ、対応可能なプロセス領域も広げたとしている。
また、同社は複数の重要技術成果も公表した。
エッチング装置では、次世代の12インチ高性能ICPエッチング装置を発表した。エッチング均一性はオングストローム級に達し、アスペクト比は数百対1に対応可能で、先端ロジック半導体および高性能メモリー向けの重要工程に適用できるとしている。すでに顧客検証を終え、量産導入段階に入ったという。
薄膜堆積装置では、PVD、CVD、ALDの全製品群で継続的な改良を進めており、12インチPVD装置の累計出荷台数は1,000台を突破した。新世代のバッチ式ALD装置は国内メモリーメーカー向けに量産出荷されており、高アスペクト比構造における薄膜形成で高い性能を示したとしている。
ボンディング装置では、12インチのウエハー・ツー・ウエハー(WTW)およびダイ・ツー・ウエハー(DTW)の2種類のハイブリッドボンディング装置を発表した。このうちDTW装置はすでに産業用途での実装が進んでおり、高度3次元集積向け装置分野での重要な前進だとしている。
子会社Kingsemi社の連結効果、増収に寄与 一方で販管費増の一因にも
上期には、Naura社の連結子会社である瀋陽芯源微電子設備股份有限公司(芯源微;Kingsemi Co.,Ltd.)の業績取り込みが、財務データに二面性のある影響を及ぼした。
Kingsemi社の上期売上高は8.97億元(約212.23億円)、純利益は871万元(約2.06億円)だった。Naura社に追加的な売上高をもたらすとともに、レジスト塗布・現像やウエットプロセスなどの分野で技術シナジーを一段と高めたとしている。
一方で、Kingsemi社の販売費および管理費の連結取り込みは、Naura社の販売費が前年同期比63.46%増、管理費が同29.65%増となった主因の一つにもなった。
Naura社は、Kingsemi社との事業統合を引き続き深化させ、全プロセスチェーンにわたる装置ポートフォリオを拡充していく方針だ。「半導体製造装置における全工程の布陣がさらに完善され、トータルソリューションの総合サービス能力も持続的に強化されている」としている。
真空・新エネルギー装置と電子部品事業、多角化で市況変動に対応
報告期間中、太陽光発電業界は引き続き調整局面にあり、川下での増産需要は総じて弱含みだった。Naura社は真空技術における共通基盤を生かし、半導体材料向け専用装置、水素関連装置、リチウム電池向け高性能装置、高級光学薄膜装置、パネルレベルパッケージング装置などの分野への展開を加速させた。
真空・新エネルギー装置事業(太陽光発電装置を含む)の上期売上高は個別には開示されていない。ただ、同社は成都国泰真空との事業統合を深め、高級光学薄膜装置の市場開拓を着実に進めたと説明した。また、パネルレベルパッケージング分野では重要な進展があり、初のパネルレベルDescum装置の出荷に成功し、PVD装置およびPIQ装置と組み合わせた一体型プロセスソリューションを形成したとしている。
精密電子部品事業の上期売上高は9.15億元(約216.49億円)で、前年同期比5.49%増だった。高出力密度電源モジュールや高精度アナログチップはデータセンター向けサプライチェーンへの採用が進み、石英圧力センサーチップや耐振動型高エネルギーコンデンサーなどの製品も顧客認証を完了し、量産供給を実現したという。
売掛金と棚卸資産は引き続き増加
2026年6月30日時点で、売掛金は86.20億元(約2,039.09億円)と期首比4.9%増、棚卸資産は305.06億元(約7,217.72億円)と同6.6%増となった。契約負債は53.20億元(約1,258.71億円)で、期首比24.0%増となり、手持ち受注の厚みを示す内容となった。
会社が認識する主なリスクとしては、第一に市場競争の激化がある。成熟プロセス向け装置では同質化競争が続いており、製品価格には下押し圧力がかかる可能性がある。第二に、技術進化が想定を下回るリスクだ。AI計算需要の拡大を背景に先端プロセスの進化が加速しており、装置精度に対する要求も一段と高まっている。第三に、サプライチェーンの安全保障リスクがある。一部の中核部材サプライヤーで能力増強が計画通り進まない場合、納入スケジュールに影響が出る可能性があるとしている。
今後の見通し
Naura社は半期報告書の中で、「中国国内の集積回路産業は、人工知能技術の進化とサプライチェーンの自主制御ニーズという二重の追い風を受け、重要な戦略的機会期にある」と明記した。今後も高水準の研究開発投資を継続し、先端ロジック、メモリー、先端パッケージングといった高付加価値分野に注力する方針だ。併せて、パネルレベルパッケージングや第3世代半導体など新興分野への布石も加速させる考えだ。
(為替換算レート:1人民元=23.66円で計算)
(原文:https://www.icsmart.cn/141143/)

