

中国商務省によると、現地時間5月10日から11日にかけて、中国側から中共中央政治局委員で国務院副総理の何立峰氏(へー・リーフォン)と、米側からの財務長官ベッセント氏、通商代表キャサリン・タイ氏がスイスのジュネーブで中米経済貿易高官会談が始まった。両国は2025年1月17日の中米首脳電話会談で合意された重要な共通意識について率直かつ詳細で、建設的な協議を行い、大きな進展を遂げ、重要なコンセンサスに達した。現地時間5月12日午前9時、両国は「中米ジュネーブ経済貿易会談共同声明」を発表した。
中米が91%の関税撤廃、24%一時停止
共同声明によると、以下の措置を実施する:
米側は2025年4月8日の大統領令第14259号および4月9日の大統領令第14266号に基づくこれらの中国製品への計91%の追加関税を撤廃する。また、2025年4月2日の大統領令第14257号に基づく中国商品(中国香港特別行政区およびマカオ特別行政区の商品を含む)への従価関税を改定する。24%の関税は最初の90日間停止し、残りの10%の関税は同大統領令に基づき維持する。
中国側は米国商品への計91%の追加関税を撤廃する。米国商品への34%の追加関税の中、24%の関税は最初の90日間停止し、残りの10%の関税を維持する。これに加え、米国に対して実施した非関税報復措置を停止または撤廃するための必要な措置を講じる。
両国は経済貿易関係に関する協議を継続するためのメカニズムを設立し、双方の懸念事項について継続的な協議を行うことで合意した。中国側代表は国務院副総理の何立峰氏(へー・リーフォン)、米国側代表はスコット・ベッセント財務長官とジェイミソン・グリア米国通商代表(USTR)となる。双方は、中国と米国で定期的または不定期に持ち回りで、あるいは合意された第三国で協議を行う。
つまり、中米両国は2025年4月8日以降に追加した相互関税91%を撤廃する。4月2日以降の34%の追加関税のうち、24%を90日間停止し、残りの10%を維持する。
ただし、米国は2025年2月1日にフェンタニル問題を理由に中国産の全製品に10%の追加関税を課した。2025年3月3日に同理由でさらに10%の税関を追加しており、4月2日の10%の追加関税と合わせると、中国製品への関税は約30%に達したという。
これに対し、中国も対抗措置を発動した。中国は2月4日、2025年2月10日より米国産の石炭、液化天然ガスなどの商品に15%、原油や農業機械、大型の自動車やピックアップトラックなどに10%の追加関税を課すという。3月4日、中国は3月10日より米国原産の鶏肉、小麦、トウモロコシなどの農産品に15%-10%の税関を追加したという。
今後、中米は90日間停止中の24%関税を巡る交渉が焦点に協議を行うという。中国側は「フェンタニル問題を理由とする米国の20%の関税撤廃」を要求することを見通している。中国国家薬品監督管理局のデータでは、2024年のフェンタニル類輸出量はアジア向け12.3kg(フィリピン・ベトナム・韓国等)に留まっており、米国側の主張に合理性を欠くと反論している。
半導体産業への影響分析
今回の関税政策変更が半導体産業に与える影響を分析すると、米中双方の関税率大幅引き下げは世界の半導体産業にとって明らかなプラス材料だ。この前双方の関税が125%以上に達しており、現在は追加税率10%にまで低下した。米国側が従来課していた20%の関税を含めて実際は30%の関税となった。
ただし、米国が中国への追加関税において、半導体関連製品は免除対象となっていた。最近でも中国産のスマートフォン・PC・サーバー製品への関税免除はあくまで一時的な措置であり、多くの電子製品が依然として免除リスト外に留まっている。
今回の中米関税合意で直接的な利益を受けるのは、対米輸出を展開する中国国内の電子製造メーカーだ。具体的には中国台湾大手EMSの鴻海(Foxconn)、仁宝(Compal)、広達(Quanta)、英業達(Inventec)、緯創(Wistron)、和碩(Pegatron)と中国本土メーカーの立訊精密(Luxshare-ICT)、歌爾(Goertek)、華勤技術(Huaqin)などの企業だ。これらの企業は米国市場向け電子製品の主要受託生産者として、関税負担軽減によるコスト競争力向上が期待されている。
なお、トランプ政権は現在、半導体に対する個別の関税政策を打ち出す予定であり、電子製品のうち、米国外を原産地とする半導体に対して個別の半導体関税を課す可能性がある。
2024年4月14日、米国商務省産業安全保障局(BIS)は「1962年通商拡大法232条」に基づき、半導体及びその派生製品に関する国家安全保障調査を開始した。調査結果を踏まえ、近く半導体向け新関税が発表される見通しだ。

