

6月26日、上海証券取引所の公告によると、中国チップ企業の視涯科技(SeeYA Technology)(以下「SeeYA Technology」)の科創板(STAR Market)への新規上場申請(IPO)が受理され、約20億1500万元(約403億円)の資金調達を目指していることを明らかにした。

目論見書によると、SeeYA Technologyは世界をリードするマイクロディスプレイ全体ソリューションのプロバイダーで、中核製品はSi-OLED(有機EL)マイクロディスプレイだ。同社は戦略的商品開発、光学システム、XR(拡張現実)全体ソリューションなど付加価値サービスを顧客に提供している。SeeYA Technologyは、Si-OLED分野における「ビデオチップ+マイクロディスプレイ+光学システム」の全スタックの自社開発能力を有する世界でも少ない企業だという。
SeeYA Technologyは中国のSi-OLEDサプライチェーンにおいて重要な位置を占め、重要な役割を果たしている。同社は中華人民共和国工業和信息化部が認定する中国国家次世代ディスプレイ産業チェーンリーディング企業で、Si-OLED産業を牽引する責任者として、次世代ディスプレイ産業のサプライチェーン強靭化と安全性向上に貢献している。
Frost & Sullivan (フロストアンドサリバン)の報告書によると、2024年にSi-OLED製品の出荷台数が100万レベルに達したメーカーはソニーとSeeYA Technologyのみだという。2024年の世界XRデバイス向けSi-OLED製品出荷シェアは、ソニーが世界首位(約50.8%)、視涯科技(SeeYA Technology)が世界第2位・中国国内首位(約35.2%)を占めた。
現在、SeeYA Technologyは中国の安徽省・合肥市新站高新区に、12インチウェハーを用いたSi-OLEDマイクロ表示モジュールの研究開発・生産に特化した基地(敷地面積約53,764平方メートル)を有しており、月間9000枚の12インチウェハーを生産する能力がある。従来の8インチウェハーと比較して、12インチウェハーはコストが低く、技術プラットフォームがより先進的だ。さらに同社は、多様な顧客の生産能力ニーズをさらに満たすため、第2ラインの建設を推進中だ。
「当社は現在第2ラインの建設を進めており、今年5月に設備を導入する予定だ。将来、幅広い顧客の生産能力ニーズをさらに満たしていく」と、SeeYA Technologyの李燕敏(リー・ヤンミン)氏は述べている。同社の既存工場は最大3ラインを収容可能で、ウェハー生産能力は最大で月間2万7000枚に達する見込みだ。
SeeYA Technologyは自主開発により、高リフレッシュレート、広色域カラースペース、積層型白色有機ELデバイスなど、数多くの重要技術を持っている。これまでに同社が申請した特許は累計420件以上がある。
IC設計もSeeYA Technologyの重要な競争力の一つだ。同社は研究開発チームを結集し、中国の省・市レベルの企業技術センターなどのイノベーションプラットフォームを構築している。設計完了した集積回路はウェハー工場に委託製造され、その後SeeYA Technologyの工場に戻り、蒸着、モールディング 、カラーフィルター、モジュール組み立てなどの工程を経る。
SeeYA TechnologyのSi-OLEDマイクロディスプレイはすでに市場に広く採用されている。写真愛好家にとって、この技術は撮影画像をより鮮明にし、色彩再現性を高め、「自然な見たままを再現する」ことを可能にする。

現在、SeeYA Technologyはマイクロディスプレイ技術の内視鏡手術への応用に注力しているほか、サイクリングの利便性を考慮した折りたたみ式ARグラスのリリース予定だ。同社の豊華(フン・ファー)氏は、将来的にSi-OLEDマイクロディスプレイ技術は業務用シーンで幅広く応用され、医療、緊急消防、教育訓練、産業用インターネット(IIoT)などの分野でより大きな役割を果たすと説明している。
業績面では、2022年から2024年にかけて、SeeYA Technologyの営業収入は継続的に増加したが、研究開発投資も拡大を続けた。2022年から2024年に、各期の研究開発費はそれぞれ営業収入の124%、133%、96%の比率を占めていた。同時に、一部の生産ラインはまだフル生産に至っておらず、川下業界での販売規模効果もまだ現れていない。このため、報告期間中の親会社株主に帰属する当期純利益は、それぞれ約2億5000万元(約-50億円)、約3億500万元(約-60億円)、約2億5000万元(約-50億円)となり、同社はまだ黒字化を達成していない状態だ。

今回のIPOで、SeeYA Technologyは20億1500万元(約403億円)の資金調達を目指しており、超高解像度Si-OLEDマイクロディスプレイデバイス生産ライン拡張プロジェクトと研究開発センター建設プロジェクトに投資する予定だ。これにより、生産能力拡大、製品ラインアップの最適化、技術力強化に寄与する。

今回の資金調達プロジェクトの実施により、SeeYA Technologyは、Si-OLED産業のリーダー企業として、業界での地位を一層固める。同時に、同社は中国国内の産業チェーン川上・川下の発展推進し、グローバルな産業競争において、中国が有利な立場を占めることに貢献することが期待されている。
(為替換算レート:1人民元=20円で計算)
(原文:https://www.icsmart.cn/93499/)

