チップの海外進出、不動産が先行:中国半導体企業のグローバル化における立地戦略を解明

2025-08-21エレクトロニクス全般業界動向半導体

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2024年、中国のチップ輸出量は2981億1000万個、金額は1,594億9910万ドル(約23兆5,100億円)に達しており、前年同期比18.7%増加した。これは衣類や携帯電話などの従来の強力な輸出商品を一挙に抜き、輸出額が最も高い単一商品となった。さらに、中国チップ設計、組み立て・検査、分立素子などの各工程に携わる上場企業は、海外事業収益の割合がそれぞれ47%、62.3%、51.5%に達しており、国際競争に参加する技術水準と能力を既に備えている。



トランプ米大統領が輸入チップに100%、さらには300%の関税を課す方針を示し、「反グローバリゼーション」の傾向が加速し、サプライチェーンの再構築が進んでいる。こういう大きな背景の下、中国のチップ業界は、単なる「製品の輸出」の段階から、海外での工場建設・投資、現地化運営、世界的な顧客の拡大を特徴とする新たな段階へと移行している。この転換がもたらす課題は、企業の不動産需要の全面的なアップグレードだ。具体的には、工業用地、工場、研究開発センター、販売ネットワーク、従業員の生活関連施設などが含まれている。これにより、企業は各国・地域の状況に応じて適切な不動産布局戦略を策定し、グローバルな発展の長期的な計画を支えている。



多様な動機が海外進出を駆動、機能配置の差異が顕著に



現在、中国のチップ企業の「海外進出」を駆動する要因はますます多様化している。一方で、中国企業は、最終消費者への接近と納品効率の向上を目的に、東南アジアやインドなどの新興市場への進出を模索し、コンシューマーエレクトロニクス及び自動車電子チップ向けチップの需要が急速に成長する機会を奪い合っている。他方で、輸出規制の強化、関税障壁、および地政学的リスクの高まりといった現実的な圧力への対応策でもある。



貿易データによると、世界最大のチップ調達国である米国は、毎年約300億ドル(約4,500億円)のチップを主に東南アジアから輸入している。したがって、中国のチップ製造企業も、政策が友好的でサプライチェーンの関連産業が整った東南アジア地域への立地をより好む傾向にある:例えば、300社以上の半導体企業が集積しているマレーシアのペナンは、中国企業が生産拠点を布局する重要な目的地となりつつある。さらに、現地化生産要件を満たすため、ブラジルなどの中南米諸国に製造拠点を設ける企業もある。一方、研究開発主導型の企業は、米国シリコンバレー、イスラエル、欧州ミュンヘンなどの科技ハブと成熟した半導体エコシステムに立地することをより好み、現地のトップエンジニアとイノベーション資源に直接アクセスできるようにしている。地域本部を設立する場合は、安定した法律環境と税制優遇措置を有するシンガポールが最適な選択肢となる。



工場が優先、業態は多様化:グローバル展開が個別ニーズに対応



パーセンテージテストや分立素子など労働集約的な工程が、中国チップ企業の海外進出構造において主導的地位を占めているため、工場の設立は間違いなく多くの企業の最優先課題となっている。また、中国チップ企業のグローバル展開が加速するにつれ、関連する不動産需要は、工場需要から、研究開発センター、オフィススペース、販売センターなど多様な形態に拡大している。



ジョーンズ・ラング・ラサール(Jones Lang LaSalle Inc)は、チップ・半導体企業への豊富なサービス経験に基づき、サプライチェーン上の企業が海外での立地選定において核心的に注目する点を以下のように整理してた:



●製造工場: 立地選定時に最も重視されるのは、電力とインフラの安定性、および産業クラスターがもたらすサプライチェーンの相乗効果だ。例えば、東南アジアでの展開では、企業は送電網の冗長性と港湾の輸送条件を重点的に評価する必要がある。ドイツのドレスデンを例とする欧州での立地では、成熟した半導体サプライチェーンと厳格な環境基準を基盤に、グリーン工場を建設する必要がある。つまり、高度なクリーンルーム要件、十分な電力と水資源の供給、低振動リスク環境を満たし、かつスマート化と持続可能性の兼ね備えるという。一部の欧州プロジェクトでは、電力の50%以上を再生可能エネルギーで調達することが要件となっている。



● 研究開発(R&D)センター:賃貸方式を多用し、チーム規模の変化に対応するため柔軟な賃貸契約を傾向とする。また、立地が人材獲得の利便性及び建物の適合性(階高、耐荷重能力、環境認証など)に与える影響を優先的に考慮する。



● 地域本部または販売センター:戦略的な立地と市場への影響力を重視する。ドイツのフランクフルトは1時間の飛行時間で欧州市場の80%をカバーできるため、企業にとって欧州に進出するゲートウェイとなっている。



● オフィススペースと販売センター:これらのスペースは、運営効率とコスト管理を満たすだけでなく、デザインを通じてブランドイメージとテクノロジー感を表現し、顧客体験と現地における帰属意識を高める必要がある。



全サイクルでのエンパワーメント:専門サービス機関が海外進出を支援



中国のチップ企業の海外進出において、立地選定、デューデリジェンスから、交渉、引き渡し、さらにその後の運営・メンテンナンスまで、全サイクル、全チェーンの不動産管理は、グローバルな専門サービス機関の支援が不可欠だ。グローバルな専門サービス機関は、現地の産業公園、電力・水資源のインフラなどに関する情報を深く掌握していることを拠り所に、インフラが整備され、クリーンルームを備える工場を提案できる。これにより、今後の電力不足や環境基準不適合など、隠れたコストリスクを回避できる。



コスト削減と効率化の面では、専門サービス機関は、交渉において企業に有利な条件を獲得させ、スケジュール優先や情報非対称性によるコストの暴走を防止する。また、海外開拓の中で発生する遊休資産の処分を支援し、資金の使用効率を向上させることができる。さらに、プロジェクト管理、資産評価などの拡張サービスを提供することにより、企業は軽資産賃貸、今後の拡張、成熟した工場の買収、さらにはグリーンフィールド投資などの異なる段階において科学的な意思決定を行い、政策リスクと運営の不確実性が高い海外市場において、常に柔軟、安全、持続可能な不動産戦略を維持できる。



将来を展望すると、中国のチップ企業のグローバル展開が加速するにつれ、海外での工場建設の需要は持続的に成長すると見込みだ。複雑な国際産業環境、差異化された現地の規制要件、そして急速に変化するサプライチェーン構造に対応するため、中国企業は、専門機関のグローバル資源ネットワークと現地化された経験を活用し、工場立地の選定の最適化、資産配置の効率化、運営リスクの低減を実現するという。







(原文:https://www.icsmart.cn/95448/)

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