
12月15日、中国証券監督管理委員会(CSRC)国際協力局は、上海壁仞科技股份有限公司((Shanghai Biren Technology Co., Ltd.))(以下「壁仞科技」)の海外での株式発行・上場および国内未上場株式の「全流通」に関する備案通知書を発表した。
この備案通知書によると、中国国産AIチップスタートアップの壁仞科技は、3億7245万8000株を上限とする海外上場普通株式を発行し、香港聯合交易所(The Stock Exchange of Hong Kong Ltd.)に上場する計画だ。また、同社の57名の株主が保有する合計8億7327万2024株の国内未上場株式を海外上場株式に転換し、香港聯合交易所で流通させる予定だ。

ロイター通信は今年6月、壁仞科技が香港IPO前の最終ラウンドとなる約15億元(約300億円)の資金調達を完了したと報じた。このラウンドは、広東省の国有資本系ファンドと上海市の国有資本系ファンドがそれぞれ主導した。このラウンドにおいて、壁仞科技の投資前評価額は約140億元、投資後評価額は155億元を超えたとみられる。
備案通知書で開示された壁仞科技の最新の57名の株主リストには、広州産投重大項目投資専項基金合夥企業(有限合夥)、高瓴資本(Hillhouse Capital)、中保投資(CHINA SPRING INVESTMENTS LIMITED)、高榕資本(Gaorong Capital)、格力創投、BAI Capital、松禾成長股権投資(SHENZHEN SONGHE GROWTH )など、多くの著名な機関が名を連ねている。

「壁砺」シリーズGPU、量産化・実用化を実現
公式サイトの情報によると、壁仞科技は2019年9月9日に設立され、独創的な汎用コンピューティング・アーキテクチャの研究開発、効率的なソフトウェア・ハードウェアプラットフォームの構築に注力している。それと同時に、インテリジェントコンピューティング分野において一体型のソリューションを提供している。発展のロードマップとしては、まずクラウド上の汎用インテリジェントコンピューティングに焦点を当て、人工知能のトレーニングや推論など複数の分野で既存のソリューションを追い越し、中国国産のハイエンド汎用インテリジェントコンピューティングチップのブレークスルーを実現することを目指す。

2024年開催の「世界AIチップサミット(GACS 2024)」で、壁仞科技は独自開発の異種GPU協調トレーニングソリューションを初公開した。異種協調通信効率は98%以上、エンドツーエンドのトレーニング効率は90〜95%に達し、大規模モデルの異種計算リソースの分断問題を克服した。このソリューションは、中国が異種複数GPUチップの計算リソースを用いたトレーニング技術分野で初めてブレークスルーを実現したものだ。
今年2月初旬、DeepSeek-R1がネット上で大きな注目を集めた際、壁仞科技のAI計算プラットフォームは正式にDeepSeek R1蒸留モデルの推論サービス(1.5B〜70Bの全シリーズモデルをサポート)を開始した。その後、壁仞科技は中興通訊(ZTE)、浙江大学上海高等研究院、一蓦科技と共同で、DeepSeek大規模モデルに基づく「智海」AI教育一体型機器を開発した。
3月初旬、アリババがDeepSeek-R1に匹敵する性能を持つ推論モデルQwQ-32Bを正式に発表した後、壁仞科技もエコシステムパートナーと共同で、QwQ-32B大規模モデル一体型機器を発表した。
壁仞科技にとって、香港証券取引所でのIPOを選択する理由としては、一方では香港取引所の上場要件が比較的緩やかであるため、より迅速な上場実現が見込まれる点が挙げられる。他方では、GPUメーカーは香港株式市場において依然として希少性があり、今年の香港株式市場の上昇傾向と相まって、香港でのIPOを選択することで一定のプレミアム獲得が期待できるためだ。
(原文:https://www.icsmart.cn/99809/)

