
テンセント自社開発チップ「滄海」、MSUハードウェアエンコーダコンテストで全指標制覇 V2は2026年下半期に量産投入へ

(画像出典:tencent cloud)
テンセントクラウドの公式発表によると、 5月27日にモスクワ国立大学(MSU)で開催されたハードウェアビデオエンコーディングコンテストにおいて、自社開発のエンコード・デコードチップシリーズ「滄海」は、30~240fpsのフルフレームレート帯域において、SSIM、PSNR、VMAFなどのすべての評価指標で1位を獲得した。ハードウェアコーデックの圧縮率限界を再び塗り替え、複数の指標では他のチップを30%以上引き離している。

今回のハードウェアエンコーダーコンテストには、AMD、NVIDIA、インテルなどの有名企業から40製品超えが参加した。コンテストの核心となる課題は非常に明確で――同じ画質を保ったまま、いかに動画ストリームの圧縮効率を極限まで高め、高画質・低コスト・低遅延を実現するかが問われる。
動画トラフィックが主流となっている今日、動画データのわずかな削減でさえ、膨大な同時接続環境下では、帯域幅とストレージコストの大幅な削減を意味する。「滄海」の解決アプローチは「全リンクにおけるソフトウェアとハードウェアの協調」だ。簡単に言えば、ハードウェアの複雑さをむやみに上げず、圧縮率の限界を追求し続けるアプローチだ。
一方で、ハードウェアエンコーディングの実際の複雑度分布に基づき、ビットレート制御モデルを継続的にアップグレードし、ビットレートの配分をより合理的にする。他方で、事前分析段階でのコンテンツ特徴認識を活用し、ハードウェアの候補エンコーディングモードの組み合わせを絶えず最適化する。
このアーキテクチャはすでに実ビジネスで大規模に検証済みだ。2019年の研究開発開始から2023年の量産に至るまで、現在、「滄海V1」はテンセントクラウドおよびテンセント社内のシーン(ライブ配信・VOD、4Kトランスコード、クラウドゲームなどを網羅)において、10万枚以上が導入されている。
そのV1の大規模展開を足場に、次世代チップ「滄海V2」はすでにシリコン動作確認に成功し、量産フェーズに入った。2026年下半期から本格サービスを開始する計画だ。V2では以下の多面的な技術進化を果たしている。
■ 統一アーキテクチャによるデュアルスタンダード対応:「滄海V2」は統一されたハードウェアアーキテクチャを採用し、H.265とH.266という2つの主要なエンコード規格を同時に対応。画質を維持したまま、H.265の圧縮率は前世代比で10%以上、H.266では30%以上向上し、さらに単一チップのエンコード・デコード処理能力は倍増する。
■ エンドツーエンドの画質向上:「滄海 V2」はCPU、GPU、およびコンピュータビジョン(CV)処理能力を統合しており、基盤レベルで直接動画のインテリジェント分析を行うことができる。超解像、シャープニング、霧除去、ノイズ除去などの処理アルゴリズムをサポートし、画質のエンドツーエンドでの向上を実現する。
■ 低コストなクラウドレンダリングをネイティブサポート:クラウドゲームなどの高同時接続シナリオに対応するため、V2にはGPUコアが内蔵されている。アーキテクチャ上、レンダリングとエンコーディングが同一チップ上でビデオメモリを共有する構成を実現する。
テンセントは公式に、音声・動画分野における同社の蓄積を、テンセントクラウド・メディア処理(MPS)製品を通じて、パブリッククラウド、プライベートクラウド、またはSDKなどの形式で外部に開放すると発表した。「滄海V2」の量産本格化に伴い、テンセントクラウドは業界顧客に対し、より高画質かつ低ビットレートのメディア処理基盤を提供。企業のマルチメディア領域における高品質化と効率化を後押ししていく構えだ。
(原文:https://www.icsmart.cn/105427/)

