中国チップ企業「中天弘宇(China Flash)」の2Gbスーパーフラッシュメモリ、NORフラッシュメモリの容量を超える見通し

2026-08-24エレクトロニクス全般業界動向半導体中国国産化

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AI時代においては、複雑な大規模言語モデルの処理やキャッシュデータを支える大容量が求められる一方、ミッションクリティカルなシナリオを保証するための高い信頼性、そして日増しに深刻化する情報セキュリティの課題に対処するためのセキュリティ機能も求められている。



こうした背景のもと、中国チップ企業の中天弘宇集成電路有限公司(China Flash)はこのほど、第2世代の大容量スーパー・フラッシュ・チップの開発で大きな進展を遂げたことを発表し、業界に新たな可能性をもたらした。



今回進展が明らかになった第2世代製品は、同社独自の「二次電子倍増注入フローティングゲート」という技術アーキテクチャを基盤としている。NOR Flash規格との互換性を維持しながら、単一チップで2Gbの容量を実現したほか、耐タンパー性や高速消去といった特徴も備えている。こうした技術的な組み合わせにより、複数の新興アプリケーションシーンにおいて差別化された競争優位性を発揮している。



個人情報保護の分野では、ストレージメディアの安全性はこれまで過小評価されがちな課題の一つだった。従来のメモリーチップには物理層で有効な不正アクセス防止の対策が欠かれ、デバイスが権限のない者の手に渡った場合、データが抽出されるリスクが極めて高い。



これに対し、中天弘宇(China Flash)の製品が持つ耐タンパー機能は、この状況を根本的に変える可能性がある。同社のストレージアーキテクチャは不正な物理てきなアクセスを検知した際にデータ自己消去メカニズムを起動させ、機微情報の漏えいを防ぐ仕組みだ。スマートフォンやウェアラブルデバイス、金融端末など、大量の個人情報を保存するデバイスにとって、直接的な実用価値を持っている。



公共安全や重要セキュリティ分野では、ストレージメディアに対するセキュリティー要件はさらに厳しい。重要情報インフラ、行政システム、防衛装備などのシーンでは、データの機密性・完全性・可用性に極めて高い水準が求められる。これまで、長年にわたりジレンマに直面してきた。すなわち、停電時にもデータを永続的に保存するために不揮発性メモリが必要である一方で、緊急時にはデータを迅速に消去する能力も求められるというものだ。従来のストレージ技術では、この一見相反する要件を同時に満たすのが困難だった。中天弘宇の製品は、高速消去機能と耐タンパー機能を提供していおり、この課題に対する技術的な解決策を提示するものとして注目されており、重要分野での大規模採用も期待されている。



もう一つの注目用途が「一品一コードラベル」だ。IoT時代には端末デバイスの数が爆発的に増加しており、デバイスIDの認証がセキュリティ管理の基盤となっている。中天弘宇のストレージアーキテクチャは、各チップに一意の識別子を付与する機能を備えており、その識別子はチップの物理構造と深く結びついているため、複製や改ざんが困難だ。この特性は、端末機器の本人認証、偽造防止・トレーサビリティ、セキュアブートなどのアプリケーションにハードウェアレベルの信頼基盤を提供し、産業用IoT、コネクテッドカーなどの分野で高い市場性が見込まれている。



AI時代には、ストレージとコンピューティングの境界が曖昧になっている。従来のノイマン型アーキテクチャの制約を打破する技術として、メモリ内計算(In-Memory Computing)は近年、学術界と産業界の双方で高い関心を集めている。NOR Flashは、不揮発性、低遅延、耐久性といった特徴から、メモリ内計算の有力なメディアの一つとみなされてきた。ただ、従来のNOR Flashは容量面でのボトルネックは、複雑なAI推論シナリオにおけるその応用を著しく制約していた。中天弘宇の第2世代2Gb大容量製品はNORフラッシュの利用可能ストレージ密度が大幅に向上し、エッジAI推論やニューラルネットワークの高速化などのアプリケーションに、より豊富なハードウェアリソースを提供すると期待される。



市場構造の面では、大容量NOR Flash市場は長期にわたり供給が相対的に逼迫した状態が続いてきた。国際的なメーカーによる1Gb以上の容量を持つ製品ラインへの展開は限定的で、単一チップの1Gb級NOR Flash製品が初めて登場したのは約20年前のことだ(2005年に富士通株式会社とAMDの合弁会社Spansionがサンプルを発表)。中天弘宇の第2世代製品は、この市場の空白を埋めるだけでなく、大容量NOR Flashの応用範囲を再定義する可能性がある。AI推論モデルがエッジ側へ移行する傾向が強まる中、大容量・高信頼・高安全性を兼ね備えたNOR Flash製品は、スマートカメラ、産業用ゲートウェイ、自動運転向けドメインコントローラーなどのシーンで重要な位置を占めることが期待される。



業界関係者によると、中天弘宇の第2世代製品はまもなくサンプル評価および量産段階に入る見通しだ。これは、上記のアプリケーションシーンの実用化が間近に迫っていることを意味する。システムメーカーにとっては、この新型ストレージメディアに早期に着手することは、製品の差別化競争において先行優位性を得る可能性がある。一方、半導体産業全体にとっても、中天弘宇の技術路線は大容量NOR Flash市場に新たな活力をもたらすとともに、AI時代のストレージアーキテクチャ革新に向けた注目すべき一例を提供するものと言える。








(原文:https://www.icsmart.cn/141049/)

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