
市場調査会社TrendForceは5月13日、最新の半導体パッケージ・テスト産業レポートを発表し、2024年世界パッケージ・テストメーカー上位10社を公開した。ASE(日月光投控)が首位を維持し、中国の長電科技(JCET)と通富微電(TFME)がそれぞれ3位と4位にランクインした。トップ10企業の合計売上高は415億6000万ドル(前年比3%増)を記録した。
TrendForce分析によると、2024年はスマートフォン・民生用電子機器・自動車・産業向けアプリケーションの回復力が弱く、パッケージ・テスト受注の回復が限定的だった。テスト業務分野では競合他社との競争激化に加え、顧客の内製化動向が課題となった。しかし政策支援と中国本土需要拡大を背景に、長電科技や天水華天(TSHT)など中国系パッケージ・テストメーカーが2桁成長を達成し、既存市場構造に挑戦を突きつけている。

1位のASEグループは2024年売上高185億4000万ドル(前年比0.7%減)を達成。2位Amkorの約2倍の規模を維持し、首位を堅持した。
2位Amkorは63億2000万ドル(同2.8%減)。自動車向け電子部品の在庫調整長期化と販売低迷が主因。民生用部品受注回復も中国・東南アジア市場の価格競争激化で収益拡大が阻まれた。
3位長電科技(JCET)は50億ドル(同19.3%増)。2023年後半からの半導体在庫調整完了と民生需要回復に加え、AI PCと中価格帯スマホ向け新プラットフォーム需要が長電科技のスタンダードパッケージングの生産能力を早期に飽和させた。
4位通富微電(TFME)は33億2000万ドル(同5.6%増)。通信・民生向け需要回復に加え、主要顧客AMDの年間売上高が過去最高を記録したことが成長を牽引。
5位力成科技(PTI)は22億8000万ドル(同1%増)。主力のメモリパッケージ・テスト事業が伸び悩み、先進パッケジング技術の転換期にあることが影響。
6位天水華天(TSHT)は20億1000万ドル(同26%増)でトップ10中最大成長率を記録。低中級封裝の量産体制に加え、AI・HPC・自動車・メモリ向け先進パッケジング技術開発を加速。中国企業顧客比率が高いことが特徴。
7位智路封測(Wise Road)は15億6000万ドル(同5%増)。半導体需要回復と技術革新に加え、米中技術戦争で外資系企業が撤退した中国市場での事業拡大が寄与。
8位Hana Micronは9億2000万ドル(同23.7%増)。メモリ関連顧客の好調が業績押し上げの原動力に。
9位京元電子(KYEC)は9億1000万ドル(同14.5%減)。蘇州京隆電子売却の影響が響いた。AIサーバー・HPCチップ向けテスト需要拡大とCoWoS生産能力拡大に伴うテスト需要増で底支え。
10位南茂科技(ChipMOS)は7億1000万ドル(同3.1%増)。自動車用・OLED需要の堅調が駆動IC事業を成長軌道に乗せた。
TrendForceは2024年OSAT市場が「バリューチェーン再編の過渡期」にあると指摘。異種統合・ウェーハレベルパッケージング(WLP)・ウェーハ積層技術・先進テスト装置導入、AI/エッジコンピューティング向け高周波・高密度パッケージング需要の急増が、パッケージ・テスト業界に高度な技術統合を要求していると分析。従来の製造業から「技術集約型R&D主導」のビジネスモデル転換が進んでいると総括した。
同レポートは「成熟したリーダー企業の安定成長」と「地域新興勢力の台頭」が併存する二極構造が2024年の特徴と結論付け。次世代先進封裝と異種統合技術を巡る競争が、今後の産業トレンドを形成すると予測している。

